心療内科・精神科|診療案内

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心療内科・精神科 心療内科・精神科

競争社会、管理社会のなかで、人は多くのストレスを抱えており、それが原因で「こころの病」にかかる人が増えています。強いストレス刺激が続くと、こころも体もついに耐えられなくなり、その結果として様々な心や身体への不調が生じてしまいます。
こころと身体の関係は、切っては離せない関係であって、常に、身体はこころを、こころは身体を影響しあっています。健康には身体とこころの関係がよい状態にあることと、それを支えるよい生活環境、よい生活習慣のあることが最も大事です。当院院長は、脳神経内科専門でありますが、他院(あつた白鳥クリニック)で心療内科、精神科外来で非常勤勤務でありましたが、5年間研鑽を積み、そこで得た臨床的経験をいかし、心の病で困っている方の助けになれればと考えております。
ストレスが原因で表れた腹痛、下痢、悪心、嘔吐など消化器症状、息苦しさなど呼吸器症状、倦怠感、めまい、ふらつき、頭痛、血圧が高いなどの身体的症状や気分の落ち込みなど抑うつ症状、意欲低下、興味や楽しさの消失、不安感、不眠、食欲低下など精神的症状を治療します。
ストレスがひどい、気分が落ち込む、眠れない、やる気が起きない、なにをしても楽しくない、不安などうつ症状にお困りの方は、稲沢市、一宮市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、名古屋市、北名古屋市、他の地域の方もお気軽にご相談ください。

不眠症

なかなか寝つけず(入眠困難)、夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)、もしくは朝早く目が覚め(早朝覚醒)、再び眠りに戻ることが難しいことが不眠の特徴です。眠りに伴う休息感が薄れ、活力や気分だけでなく、健康、仕事の効率、生活の質が損なわれます。

不眠症
不眠の原因
不眠の原因には、以下の要因が関与すると考えられています。逆に、これらを早めに修正することが、不眠を防ぐことにつながります。
1)不適切な睡眠習慣
寝る前にカフェイン(緑茶、紅茶、コーヒー)、ニコチン(タバコ)を摂取すると、これらの物質が持つ覚醒作用により、寝つきがかえって妨げられます。アルコールには寝つきを促す作用がありますが、夜中にアルコールが抜ける段階で覚醒を促し、中途覚醒を増加させます。
2)床上時間のミスマッチ
一晩にとれる眠りの量や寝付けるタイミングは一人一人異なります。寝不足を取り戻そうとして、普段より長く寝床で過ごすと、眠りが浅くなり中途覚醒が生じやすくなります。また、普段より早く寝床に入っても寝つけず、イライラ・心配しながら床の中で過ごすことがさらに寝つきを悪化させます。
3)日中の活動量減少
日中の活動量が減ると、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなります。起きている間に、できるだけたくさん体と頭を動かすほど、眠りの必要性が高まり、良質な睡眠が促されます。
4)睡眠状態誤認
不眠症で、実際の睡眠時間と、自覚的な睡眠時間が一致しないことがあり、自覚的睡眠時間を非常に短く感じることがあります。この場合は、睡眠時間をむしろ積極的に短くし睡眠を濃縮させることが、不眠の解消に役立つことがあります。
治療法は?
眠れないことへの恐怖感から、眠ろうと努力すればするほど、眠れずあせりが生じ、不眠はかえって悪化する傾向があります。不眠症の治療は、不適切な睡眠習慣を見直し、対処法を考えることから始まります。うまく寝つけない場合には、いったん寝床を離れ緊張をほぐし、眠気がやってきたら寝床に入り直す方法も効果的です。眠りが不十分であっても、決まった時刻に起床することで、翌日は体が休もうとする力が高まり眠りが促されます。不眠が続いてしまったら、床上時間を普段よりむしろ短くすることで、眠りが「濃縮」され、寝つきや眠りの維持が容易になります。
 最も多く用いられている治療法が睡眠薬による治療です。脳の抑制系の働きを促すもの、脳内の眠りホルモンの作用を助けるもの、脳の覚醒系の働きを抑えるものなどがあります。睡眠薬は、睡眠習慣や対処法の見直しを行った後に、短期的・補助的に用いられることが望ましいと考えられていますが、長期使用が必要となる場合もあります。この場合は医師の判断に従い、決められた使用法・使用量を守って使用継続する必要があります。

うつ病

ゆううつ・憂鬱な気分だけではなく、不眠やだるさなどの体の不調を伴ったり、食欲不振など心身に関連したいくつかの症状が、途切れることなく 1日中持続し、2週間以上たっても改善がみられないような状態がうつ病といわれております。

  1. 抑うつ気分
  2. 興味または喜びの喪失
  3. 体重の変化(食欲の変化)
  4. 不眠や睡眠の変化
  5. 精神運動の制止、焦燥
  6. 疲労感・気力の減退
  7. 無価値観・罪責感
  8. 集中力の減退・決断困難
  9. 死に対する反復思考・自殺念慮・自殺企図
うつ病

これらの1)~9)の症状のうち、5つ以上が同じ2週間の間に存在し、症状のうちすくなくとも一つは1)抑うつ気分、または2)の興味または喜びの喪失を呈している。そして、このような症状のために、社会的、日常生活、職業面で支障・障害を生んでいるという事がうつ病の診断では重要です。

治療法は?
うつ病治療には主に、1)心の療養・環境調整、2)薬物治療、3)精神療法があります。
1)心の休養・環境調整
うつ病はストレスを誘因にして発症することが多いため、過度なストレスがかからない環境において心の休養をさせることが重要です。たとえば、仕事のストレスがきっかけでうつ病を発症した場合は仕事量の軽減や部署異動などの対応を職場側に調整していただく必要があります。
2)薬物療法
うつ病治療の主体となるのは薬物療法です。近年、主に用いられるのは脳内のセロトニン濃度を高める作用を持つ選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とされています。そのほか、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)や三環系抗うつ薬などがあります。効果には個人差があり、必ずしも処方された抗うつ薬が有効であるとは限りません。抗うつ薬は通常、効果発現までに4~8週間という時間がかかることにも注意が必要です。上記の抗うつ薬に反応しない場合、抗精神病薬が使われることもあります。また、うつ病によって引き起こされる身体症状を改善するため、睡眠薬や抗不安薬などが必要となることもあります。
3)精神療法
薬物療法と同時に行うことが多いのが精神療法です。絶望感や自己否定感など実際の状況にふさわしくない感情が強いときは、その考えと現実との歪みを修正する“認知行動療法”がよいとされています。当院では、臨床心理士が不在のため院内では認知行動療法は施行しておりません。オンラインカウンセリングでは、うららか相談室、ファストドクターのメディカルカウンセリングを紹介いたします。対面式カウンセリングであれば、あいち保険管理センターを紹介いたします。もしくは認知行動療法が可能な医療機関への受診を紹介いたします。

適応障害

適応障害とは、職場や学校、家庭などで起こるストレスによって、憂うつな気分になったり、不安を感じたりすることが続き、日常生活や社会生活に支障をきたす障害です。
日常生活でのさまざまな出来事や環境に対してうまく適応できず、それがストレスとなり、その結果、心身にさまざまな症状が表れます。通常ストレスは誰にでも感じるものですが、適応障害の場合はストレスによって症状が強く出ます。その症状によって日常生活や社会生活を送ることが難しくなります。
適応障害と症状が似ているところがある疾患として、うつ病が挙げられます。適応障害の場合は、つらいと感じている状況から距離を置くことで、一時的に症状が和らぎ、次第に気分が落ち着いてくることがほとんどです。一方、うつ病の場合は、ストレスの要因から離れても、適切な治療を受けないと抑うつ状態が続くことがあります。

高血圧

適応障害の治療としては、薬物療法としての抗うつ薬のSSRIや抗不安薬などで落ち込みや不安の症状を緩和させ心身のバランスを改善できるように整えるだけではなく、ストレスへの調整が特に重要になります。
適応障害の治療におけるストレスへの調整というのは、急性期のストレスの軽減が重要です。また適応障害の症状が出やすい環境やストレスを減らすように環境調整をするだけではなく、病気のためにストレス耐性が極端に下がってしまっている状態ですので、十分に療養できるように環境の見直しをすることも必要です。その場合には、時短や配置転換だけではなく、休職などの配慮も必要になることもあります。
ストレスの負荷を下げることは急性期の治療では非常に重要なのですが、ストレス負荷を減らした状態で長期間過ごすことは、本人のストレスに対する対応力までも低下させてしまうこともあります。そのため、症状が少し落ち着いてきたところで、外出や、買い物、読書や運動などの他者とのかかわりや、人々が過ごしている場所への外出といった行動を繰り返したり、仕事の連絡をしたり電車に乗ってみるなどをしながら、徐々に生活や社会生活のストレスを増やしていく事が重要となります。

減酒外来(アルコール依存症)

アルコール依存症は「毎日多量に飲む」「酒にだらしがない」「酒乱」といったイメージが強いですが、眠りやストレス発散を目的とした飲酒の増加、飲酒後の記憶の欠落の増加、飲酒した翌日の意欲低下、飲酒していない際の離脱症状の出現(発汗・不眠・手のふるえ等)といった特徴もあります。次のうち3項目以上当てはまればアルコール依存症が疑われます。

  • 夕方になると飲みたい、悪いと分かっていても飲みたいといった強迫的飲酒欲求がある。
  • 時間に関係なく飲酒し、飲む量をコントロールできない。
  • 酒量を減らしたり止めた時、手の震え、発汗、不眠などの離脱症状が出現する。
  • お酒に対する耐性ができ、これまでの量では酔えなくなり、酔うまでの量が増す。
  • 飲んでいる時間が多くなり長時間酔っているために他の楽しみや趣味ができなくなる。
  • 生活・仕事・健康に有害が生じると分かっていても飲酒してしまう。
減酒外来(アルコール依存症)

アルコール依存症とは、反復的なアルコールの使用により飲酒をコントロールすることが困難になり、身体的症状や社会的に有害な結果が見込まれているにもかかわらず、自分でアルコールを止めることができない病気です。放置しておくと糖尿病、高血圧、高尿酸血症などの生活習慣病、アルコール認知症、アルコール性肝炎、肝硬変、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まります。重度の場合は、断酒が望ましく、薬物療法(抗酒薬)だけでなく、認知行動療法、精神療法が必要で、場合によっては入院加療など必要ですが、症状が軽度の場合は、減酒外来でも対応できることがあります。
減酒外来(節酒外来)では、お酒の量を減らし問題を軽減することを目標とします。これにより「完全にお酒をやめたくはないけど、もう少し量を減らしたい」という方の希望に沿うことができ、こういった軽度の患者さんにとってはアルコール使用障害の受診がしやすくなりました。
当院では、アルコール使用障害の軽度の患者さんを対象としております。

例えばこんな方
  • お酒とうまく付き合っていきたい
  • 家族や同僚、友人からお酒を減らした方がいいと心配されている
  • 健康診断でいつもお酒を減らすように言われている(例:糖尿病、高脂血症、高血圧など)
  • ついつい飲みすぎて記憶を失くしてしまうので何とかしたい
  • お酒の量をコントロールしたい
  • 身体のことが心配なのでお酒の飲み方を見直したい
  • 二日酔いで仕事に影響があるので何とかしたい
  • お酒で失敗しないようにしたい
  • 休肝日を作れない

上記のように、たまにお酒で失敗をしてしまうことがあるものの、大きな問題には至らない…そんなお酒好きな方も対象となりうるのです。

減酒外来のメリット
  • 重症化する前に治療を受けることができるため、早期回復が見込める
  • 肝機能値、血圧値、糖尿病、高脂血症などの身体問題が改善する
  • 多量飲酒してしまう日数(二日酔いになったり記憶を無くしたりする経験)を減らすことができる
  • 休肝日が作れる
  • 必ずしも断酒しなくても、お酒の量を減らすことで飲酒による様々な問題を改善することが期待できる
  • 治療に対する抵抗感が和らぐ
  • すぐにお酒をやめることができない場合、飲酒量を減らすことによって現状に比べてある程度の害(健康面・社会面・対人関係)を減らせることが期待できる
  • 寿命が延びる(死亡率が減少する)
  • 初めは断酒の決心がつかなかった人でも、減酒を成功することによって断酒への自信につながることがある
減酒(節酒)治療における薬物療法(セリンクロ)

現在、日本において減酒治療で使用できるお薬は、2019年3月に発売されたセリンクロ(一般名:ナルメフェン)のみです。従来の抗酒薬(ノックビン、シアナマイド)は抗酒剤を服薬中にお酒を飲むとアルコールの分解酵素の働きが阻害され、ひどい二日酔いの状態になります。これを経験した患者さんの中には、二度と同様のひどい目にあいたくないと断酒を意識するようになる方もいます。一方で、この不快感を避けるためにそもそも抗酒剤を服用しなくなってしまう患者さんもおります。こういった服薬の中断を防ぐためには、周囲の人が服薬を管理する必要がありますが、患者さん本人はそれを嫌がる人も少なくありません。
一方で、セリンクロは服薬しても従来薬(ノックビン、シアナマイド)のような不快な感覚になる薬効はありません。セリンクロは飲酒への脳内報酬系の活性化を抑制するため飲みたくなる気持ち(欲求)そのものが抑えられるのです。欲求が抑えられれば、少量のお酒で満足できます。その結果、服薬が継続し、飲酒量・多量飲酒日が半分に減るという報告がされています。
ただし、アルコールの問題が重篤で、お酒を断つことが望ましいと判断される方には、断酒をおすすめし、場合によってはより専門的なアルコール依存症の治療な可能な医療機関にご紹介いたします。お酒の問題でお困りの方は、稲沢市、一宮市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、名古屋市、北名古屋市、他の地域の方もお気軽にご相談ください。

減酒外来をご希望の方は、以下よりアルコールスクリーニングテストをダウンロードして、印刷してご使用ください。 ご来院時、診察前にアルコールスクリーニングテストをご記入していただきますが、あらかじめご記入の上、ご持参いただくとスムーズに診察ができます。

不安症

不安症とは差し迫った出来事に対する恐怖や、将来に対する不安が過剰となり、行動や社会生活に影響を与える状態が、成人の場合は6ヶ月、子どもの場合は4週間、続いている状態をいいます。不安とともに、動悸、呼吸困難、震え、発汗などの身体症状が生じることもあります。特にパニック発作と呼ばれるタイプでは、強い不安と共に、こうした身体症状が急激に生じることが特徴です。不安でドキドキする、胸が苦しい、汗をかく、めまい、おちつかないなどでお困りの方は、稲沢市、一宮市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、名古屋市、北名古屋市、他の地域の方もお気軽にご相談ください。

不安症
不安症の特徴
不安症は特徴に応じていくつかに分類されています。
1)分離不安
アタッチメントを生じている保護者から離れるときに、年齢などを考慮してもなお、不適切なほどに強い不安を感じる状態を指します。多くは子どもに生じますが、大人でも生じることがあります。
2)選択性緘黙(かんもく)
特定の人の前では話しができるのですが、他の人々の前で話すことが必要になっても、まったく話せなくなることが特徴です。そのために学業や仕事に支障が生じることが少なくありません。
3)限局性恐怖症
特定の人、動物、状況に直面すると強い恐怖を生じ、また直面することへの不安のために、そうした対象や状況を回避するようになる状態です。実際に危険な目にあったという理由があることも、特に目立った理由がないこともあります。その恐怖、回避は、実際の危険に比べて不釣り合いなほどに大きく、生活の支障になっています。
4)社交不安症
他の人々の前に出たり、特に話しをしたり、注目され、評価される状況に対して強い不安を感じ、そうした状況を避けるようになります。恥ずかしい、悪く思われている、などと悪い方向に考えてしまうことが多くみられます。親しい人や、自分に関心を持たない他人の前では不安が生じないこともあります。
5)パニック症
パニック症では、急激な不安と、動悸などの身体症状を伴うパニック発作が突然生じることを繰り返します。そのために行動が制限されたり、また発作が起きるのでは無いかという予期不安が生じ、生活に大きな支障が生じます。なおパニック発作は状況によって予想できるものと、予想できないものがあります。
6)広場恐怖症
不安になったときにすぐに逃げ帰れないような、家の外の状況に対する不安があります。広場、公共交通機関、建物の中、1人で外出することなどが含まれます。そのような状況を回避したり、付き添いを必要としたりします。
7)全般性不安
はっきりとした対象にではなく、色々なことに対して次々と過剰な不安を生じる状態です。安心できない状態と言ってもよいでしょう。そのために常に落ち着かず、そわそわとし、疲れやすく、いらいらし、集中力が続かなくなります。
8)物質・医薬品誘発性不安症
アルコールやカフェインなどの物質使用、治療薬によって生じる不安もあります。
不安症のサイン・症状

不安は決して病気ではなく、むしろ、適切な不安を感じることで、対策をしたり、大きな失敗を避けることができるようになります。しかし不安が強すぎると、その不安を避けるために、現実の生活を制限したり、仕事や勉強ができなくなります。過去の自分よりも明らかに不安が増えて自信を失っている、不安を避けるために特定の対象や人、状況を回避することにこだわっている、また生活や行動に影響が出ていると感じた場合には、ご相談ください。

治療法は?

不安症の治療には主に、認知行動療法、薬物療法があります。

1)認知行動療法
持続的な不安症の場合は、不安な感情が出たときに、かえってそれを強めてしまうような考えや行動をしていることが多いものです。また不安になった、自分が弱いからだ、不安はどんどん悪くなる、いつまでも続くだろう、などの考えが自動的にわいてきます。そして不安になる状況を避けようとします。
実は不安は、最初の5分間くらいがもっとも強く、その後は段々と横ばいになったり、軽くなっていきます。ところが不安を避けることに全力を集中していると、こうした自然の回復を体験することができません。
認知行動療法は、こうしたメカニズムに注目し、不安を悪化させる考えや行動を徐々に修正し、不安をコントロールできるという自信を取り戻すための治療です。薬物療法と同じか、それ以上の効果があることが知られています。
当院では、臨床心理士が不在のため院内では認知行動療法は施行しておりません。オンラインカウンセリングでは、うららか相談室、ファストドクターのメディカルカウンセリングを紹介いたします。対面式カウンセリングであれば、あいち保険管理センターを紹介いたします。もしくは認知行動療法が可能な医療機関への受診を紹介いたします。
2)薬物療法
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる、うつ病の薬が多くの不安症に有効であることが分かっています。不安症のタイプと薬の種類には組み合わせがありますので、専門の医師に御相談ください。明日からよくなる、というものではありませんが、続けることによって、不安に対する効果が出てくることは実証されています。
抗不安薬はすぐに効果が見られますが、続けていると依存を生じることがありますので、注意が必要です。不安を避けることに集中している人が抗不安薬を飲むと、この薬をたえず飲むことで不安を避けようと思いつめることがあります。この薬を使う場合は、上に述べた認知行動療法に基づいた助言、指導を受けながら、思い入れが強くなりすぎないように注意する必要があります。

強迫性障害

自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認などを繰り返すなど、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念や、特定の行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思い過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないなどが挙げられます。
強迫性障害は、治療によって改善する病気です。「せずにはいられない」「考えずにはいられない」ことで、つらくなったり不便を感じたりする場合には、稲沢市、一宮市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、名古屋市、北名古屋市、他の地域の方もお気軽にご相談ください。

強迫性障害
強迫性障害の症状
「強迫観念」と「強迫行為」の2つの症状があります。
強迫観念とは、頭から離れない考えのことで、その内容が「不合理」だとわかっていても、頭から追い払うことができません。
強迫行為とは、強迫観念から生まれた不安にかきたてられて行う行為のことです。自分で「やりすぎ」「無意味」とわかっていてもやめられません。
代表的な強迫観念と強迫行為の症状は下記になります。
1)不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえす、ドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて、さわれない。
2)加害恐怖
誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認したりする。
3)確認行為
戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)。
4)儀式行為
自分の決めた手順でものごとを行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。
5)数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
6)物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。
次のようなサインがあれば、専門の医療機関に相談することがすすめられます。
1)日常生活、社会生活に影響が出ている。
手洗いや戸締まりの確認に時間をとられたり、火の元を確認しに何度も家に戻ったりする結果、約束に遅れてしまうといった問題が生じます。日々の強い不安や強迫行為にかけるエネルギーが大きいと、心身が疲労して健全な日常生活が送りにくくなります。
2)家族や周囲の人が困っている。
火や戸締まりの確認を家族にも何度も繰り返したり、アルコール消毒を強要したりするなど、周囲の人を巻き込むこともあります。その結果、人間関係がうまくいかなくなります。家族や友人など周囲の人が困っている様子なら、念のため受診を考えてください。
治療法は?
強迫性障害の治療には、次の2つを組み合わせるのが効果的とされます。
1)認知行動療法
再発予防効果が高い「曝露反応妨害法」が代表的な治療法です。
患者さんが強迫観念による不安に立ち向かい、強迫行為をしないで我慢するという行動療法です。このような治療を続けていくことで、強い不安が弱くなることや、強迫行為をしなくても済むようになる状態を目指します。当院では、臨床心理士が不在のため院内では認知行動療法は施行しておりません。オンラインカウンセリングでは、うららか相談室、ファストドクターのメディカルカウンセリングを紹介いたします。対面式カウンセリングであれば、あいち保険管理センターを紹介いたします。もしくは認知行動療法が可能な医療機関への受診を紹介いたします。
2)薬物療法
患者さんの多くは、強迫症状や抑うつ、不安を有するので、抗うつ薬のSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)と認知行動療法の併用も良く行われます。この場合、最初は少量から始め、副作用の出現に注意しながら服薬量を増やしていきます。
以上の治療法は、個々の患者さんに合わせて決定されます。自分が不安に思うこと、治療法の希望などがあれば、ご相談ください。