基礎知識

Disease Basics
診療案内

認知症、精神症状などが急速に悪化している場合、橋本脳症の可能性もあります。

橋本脳症とは、甲状腺の何らかの免疫異常をきっかけに起こる甲状腺自己免疫疾患に関連した脳症である。甲状腺機能低下症に伴い意識障害、認知症、運動失調をきたす粘液水腫脳症や甲状腺機能亢進症に伴い不安、易怒性、不眠、幻覚、手の振戦、痙攣などをきたす甲状腺中毒脳症など甲状腺機能異常による神経症状は、甲状腺ホルモン値の正常化によって症状が改善しますが、橋本脳症は、甲状腺ホルモンを正常化しても神経症状の改善がなく、むしろ甲状腺機能(甲状腺ホルモン)は正常である場合の方が多く、ステロイドなど免疫学的な治療により改善を認めます。

症状
意識障害、痙攣、物忘れ、認知症、手の震え、無気力、うつ症状、幻覚、妄想、運動失調による歩行障害など様々です。

検査
(1) 血液検査:抗甲状腺抗体(抗TPO抗体、抗TG抗体)陽性でも橋本脳症の確定診断はできない。甲状腺ホルモンは正常なことが多い。
(2) 髄液検査:髄液蛋白の増加が多くみられる、時折髄液単核球増加も認められる。
(3) 脳波:非特異的な徐波が認められることが多い。
(4) 頭部MRI:橋本脳症に特異的な異常所見はなく、明らかな異常を指摘できないことが多い。
(5) 脳血流SPECT画像:大脳全体や局所的な血流低下を示すことが多い。

診断
Shawらの診断基準
(1) 意識障害、認知症など精神神経症状の存在
(2) 抗甲状腺抗体陽性
(3) ステロイドで改善すること
上記を満たす必要があります。ただし、抗甲状腺抗体は橋本脳症に疾患特異性はなく陽性であっても確定診断できません。したがって(1)、(2)、(3)を満たし橋本脳症が疑われれば、抗N末端αエノラーゼ抗体(抗NAE抗体)を測定します。抗NAE抗体は診断感度50%、特異度90%といわれており、陽性であれば強く示唆されますが、陰性でも否定はできません。

治療
(1) ステロイド治療:症状の改善が得られますが、再発が多いとされています。
(2) 免疫抑制剤:ステロイド減量中に再発が多い場合に推奨されます。
(3) 免疫グロブリン療法:ステロイドに十分な反応が得られない場合や再発時に検討されます。
(4) 血漿交換:有害な抗体を除去し、難治例や再発例で考慮されます。

橋本脳症は診断が難しい疾患ですが、認知症や精神症状が急速に進行する場合には考慮が必要です。ステロイドなどの免疫治療により、アルツハイマー型認知症とは異なり改善する可能性があります。

特に橋本病など自己免疫疾患を指摘されたことがある方は注意が必要です。当院には脳神経内科医が在籍しておりますので、ご不安な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。




いなざわ駅前内科クリニックでは、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病をはじめ、頭痛、脳卒中、パーキンソン病、認知症、てんかんなどの脳神経疾患、不眠症、うつ病、適応障害、アルコール依存症、不安症、強迫性障害などの精神疾患・メンタルヘルスの問題に対応しております。一宮市、名古屋市、稲沢市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、北名古屋市など、幅広い地域から多くの患者様にご来院いただいております。稲沢市で内科・脳神経内科・心療内科・精神科をお探しの方は、いなざわ駅前内科クリニックへお気軽にご相談ください。