基礎知識

Disease Basics
診療案内

パニック障害は薬物療法と認知行動療法で治療が可能です。

パニック障害とは、予期せず、突然、強い恐怖や不快感が強くなり、動悸、息苦しさ、吐き気、ふるえ、めまい、発汗などの発作を繰り返し、発作により生活に支障が起こる病気です。パニック発作、予期不安、広場恐怖が主なパニック障害の症状です。

パニック発作は、動悸、息苦しさ、発汗などを突然、感じる発作で、多くの場合は数十分以内、長くても1時間以内には自然におさまります。

予期不安とは、発作を繰り返すうちにまた同じような発作が起きたらどうしよう、発作がまたくるのではないかという不安を感じてしまうことです。

広場恐怖とは、発作が起こったときにすぐに助けが求められなかったり、すぐに逃げ出せなかったりする状況に対する恐怖です。例えば、映画館や乗り物の中、人混みなどの状況で恐怖を感じます。

さらに不安が強まると、患者は家にこもりがちになり、一人で外出できなくなることもあります。このような予期不安や広場恐怖が日常的に不安や緊張を高め、それがまたパニック発作を起こしやすくしている要因で悪循環にもなっています。


診断基準

DSM-5では、以下の13症状のうち4つ以上の症状が同時に現れる場合をパニック発作と定義しています。

(1) 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
(2) 発汗
(3) 身震いまたは震え
(4) 息切れ感または息苦しさ
(5) 窒息感
(6) 胸痛または腹部不快感
(7) 嘔気または腹部の不快感
(8) めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
(9) 現実感消失(現実でない感じ)、または離人症状(自分自身から離れている)
(10) コントロールを失うことに対する、または気が狂うことに対する恐怖
(11) 死ぬことに対する恐怖
(12) 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
(13) 冷感または熱感

DSM-5によるパニック症の診断基準
● 上で述べたようなパニック発作が繰り返し生じる。
● パニック発作によって1か月以上「また発作が生じるのではないか」という持続的な不安がある、あるいは発作に関連する行動を回避したり変更したりする。
● 発作の原因が何らかの薬物や病気によるものではない。
● 発作の原因が社交不安症や強迫性障害など、ほかの精神疾患によって説明できない。


治療

パニック障害の治療には、精神療法と薬物療法があります。

(1) 精神療法:認知行動療法、暴露療法
パニック発作自体は、薬物療法により改善できますが、予期不安や広場恐怖は薬物療法のみでは時間がかかります。それは誤った認知、つまり誤った考え方や認識や学習が、予期不安や広場恐怖を起こしている原因になっているからです。

そこで認知行動療法により、発作が起きたときに「またパニックになったらどうしよう」と考えるクセを見直して、認知(考え方、受け止め方、思い込み、認識、学習など)のゆがみや偏りを修正しながら、行動することによって認識を変えていきます。

また、苦手な状況に少しずつ慣れていく曝露療法もあります。

暴露療法の具体例
■ 例1:乗り物恐怖
● はじめは駅の入り口まで行ってみる。
● 駅内に入る。
● 駅のプラットフォームまで行く。
● 電車に1駅だけ乗る。
● 慣れてきたら混雑した時間帯に乗る。

■ 例2:不潔恐怖
● ドアノブを触ったあとに手を洗うまでの時間を5分だけ我慢
● さらに10分、30分と延ばしていく
● 手を洗わなくても平気なことに慣れていく

■ 例3:大勢の前で話すことが怖い。
● 鏡の前で自己紹介を練習する。
● 知人相手に自己紹介する。
● お店で店員に話しかける。
● 初対面の人と1対1で話す。
● 少人数の会議で発言する。
● 大人数の前でプレゼンする。

(2) 薬物療法
パニック発作や予期不安を抑えることが目的に行います。

主に使用されるのが、抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRI)で、パロキセチン、セルトラリンが保険適用になっています。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を内服しつつ、抑えの利かない不安感に対してはべンゾジアゼピン系を使用し、SSRIの効果が十分みられたらベンゾジアゼピン系のお薬を減薬していく方法がすすめられます。発作時の対応としては、ベンゾジアゼピン系を頓服で使用します。


パニック障害は、命の危険をおかす病気ではありませんが、パニック発作、予期不安、広場恐怖で日常生活に支障がでてしまうことは少なくありません。

上記に述べてきた通り認知行動療法と薬物療法で十分、症状に対応できる可能性がありますのでお気軽にお申し出ください。

ただ、当院は、臨床心理士が不在のため院内でのカウンセリングはできませんが、当院と提携しているあいち保健管理センターにご希望でしたら紹介することができます。あいち保健管理センターは、多数の専門心理士が在籍しておりメンタルケア、カウンセリングを行う名古屋市最大規模の施設です。

ご不明な点がございましたら遠慮なくお問い合わせください。




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