基礎知識

Disease Basics
診療案内

双極性障害は、薬物療法、精神療法などで症状が改善する可能性があります。

双極性障害は、気分が高まったり落ち込んだりと、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患です。
躁状態または軽躁状態では、気分の高ぶりや活動性の増加がみられ、抑うつ状態では、気分の落ち込みや興味・喜びの喪失がみられます。

躁状態では、気分が高ぶって多弁になり、眠らなくても平気になり、昼夜を問わず動き回って落ち着きがなくなります。ギャンブルや買い物に散財して借金を作ったり、職場で人と大きなトラブルを起こして仕事を辞めてしまい、社会的信用を失うことも少なくありません。

軽躁状態とは、生活に著しい支障はないものの、普段より活動的な状態で、周囲から「最近元気すぎる」と言われることがあります。

うつ状態では、一日中憂うつな気分が続き、眠れなくなったり、逆に寝ても寝足りないほど眠ってしまうこともあります。以前は好きだった趣味に興味がなくなり、食欲低下、意欲の低下などがみられます。

激しい躁状態を伴う場合を双極I型障害、生活に著しい支障はないものの軽躁状態を伴う場合を双極II型障害と呼びます。躁状態や軽躁状態のときは、自分が病気であるという認識が乏しく、抑うつ症状のみを訴えるため、双極性障害でありながらうつ病と診断されてしまうことも少なくありません。

主に10代後半から20代前半で発症することが多く、日本での有病率は約0.6%といわれています。

■ 症状

双極性障害では、症状がある時期(エピソード)と、症状がほとんどない時期(寛解期)が交互に現れます。エピソードには、抑うつ状態、躁状態、軽躁状態があります。1回のエピソードは数週間から数か月続くことが多く、次のエピソードまでの期間をサイクルと呼びます。

サイクルの長さや頻度は人によって大きく異なり、生涯に数回しか起こらない人もいれば、年に4回以上みられる急速交代型の人もいます。ただし、個々の患者さんの中では、比較的一定のサイクルを示すことが多いとされています。

■ 抑うつ状態

双極性障害の抑うつ状態は、うつ病と似た症状を示します。憂うつな気分が続き、興味や楽しみが感じられなくなります。睡眠障害、食欲の変化、意欲低下、自責感、集中力や決断力の低下などがみられます。

双極性障害のうつ状態では、うつ病と比べて幻覚や妄想などの精神症状がみられやすい傾向があります。

診断基準としては、以下の症状のうち5つ以上が2週間以上続き、社会生活や人間関係に著しい支障をきたす状態とされています。

● 抑うつ気分
● 興味や喜びの著しい減退
● 体重や食欲の変化
● 不眠または過眠
● 精神運動性の焦燥または制止
● 疲労感または意欲の低下
● 無価値感または過剰な罪責感
● 集中力や決断力の低下
● 死についての反復思考や自殺念慮

■ 躁状態

躁状態のエピソードは、抑うつ状態より急激に始まり、1週間程度と比較的短い傾向があります。活動的で気分が高揚し、怒りっぽくなり、自信過剰になります。睡眠欲求が減り、昼夜を問わず行動的になります。

衝動的な買い物やギャンブル、リスクの高い投資、不特定多数との性的行動などがみられることもあり、病識が乏しいため危険な状況でも自信満々な態度をとることがあります。

■ 軽躁状態

軽躁状態は、躁状態ほど重くはなく、生活に著しい支障はないものの、活動性が高く、睡眠が少なくても平気な状態です。創造性や自信が高まる一方で、注意散漫や易怒性が目立ち、人間関係に支障が出ることもあります。

軽躁状態では、躁状態に比べて病識が保たれていることが多く、自身の状態をつらいと感じる方も少なくありません。

■ 混合性エピソード

抑うつ症状と躁症状が同時にみられる状態です。気分は落ち込んでいるのに活動性が高い、涙ぐみながら多弁になるなどの特徴があります。混合性エピソードでは自殺リスクが特に高くなります。

■ 治療

(1) 気分安定薬
双極性障害の治療の基本は、気分安定薬による再発予防です。炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなどが使用されます。

(2) 抗精神病薬
躁状態や抑うつ状態に対して使用されます。症状や副作用を考慮しながら選択され、定期的な血液検査が必要な薬剤もあります。

(3) 抗うつ薬
双極性障害では、抗うつ薬により躁転が誘発される可能性があるため、使用は慎重に行われます。単剤使用は避け、必要な場合は気分安定薬や抗精神病薬と併用します。

(4) 抗不安薬
不安や興奮が強い場合に一時的に使用されますが、依存性の観点から長期使用は避け、症状が落ち着いたら減量・中止します。

双極性障害は、気分の波により大きな苦痛を伴う疾患であり、うつ病と比べて自殺リスクが高いともいわれています。当院での診察の結果、より専門的な治療が必要と判断した場合は、適切な医療機関へご紹介いたします。お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。




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