基礎知識

Disease Basics
診療案内

後頭神経痛は症状改善のために日常動作を改善することが必要です。

後頭神経痛は、後頭部を走行する神経の刺激や圧迫によって後頭部の頭皮にピリピリ、チクチクするような痛み、電気が走るような、あるいは突き刺すような鋭い痛みが出現します。後頭神経には、大後頭神経、小後頭神経、第3後頭神経、大耳介神経があります。症状の現れる部位は、大後頭神経痛は、後頭部から頭の上の痛みで、小後頭神経痛は、側頭部の痛みで、第3後頭神経痛は、後頭部下部の痛みで、大耳介神経痛は耳の後ろの痛みになります。大後頭神経、小後頭神経、第3後頭神経、大耳介神経は、いずれも頭を支える頚部の筋肉の間から皮膚の表面側に出ているため、筋肉による圧迫を受けやすく、頚椎の変形、デスクワークで同じ姿勢を続けたり、肩こりが強いと神経痛を起こしやすいといわれております。
原因
血管の圧迫、鞭打ちなどの外傷、頭や首の手術、首の骨の異常、肩こり、緊張型頭痛 帯状疱疹などの感染症による神経痛

症状

  • 後頭部の頭皮のピリピリ、チクチクするような痛みで、発作的に痛くなることもあるし痛みが持続する場合があります。
  • 痛みに加えて頭皮の感覚の鈍さやしびれを感じることがあります。
  • 痛みは左右片側にだけ出ることも、両側に出ることもあります。
  • 吐き気やめまいなどは通常起こらなく、この点は片頭痛との違いです。

検査・診断

  • 頭部MRI画像検査、頭部から頸部の血管画像検査

脳腫瘍(後頭蓋下腫瘍)、くも膜下出血、椎骨動脈解離などによる疼痛を除外する目的で行います。

  • 帯状疱疹など感染症の否定で頭皮を細かに観察して水ぶくれなどの皮疹がないことを確認する。

国際頭痛分類第3版β版により以下のように診断基準が提示されている

  • 診断基準A:片側または両側の痛みで基準BからEをすべて満たす
  • 診断基準B:痛みの範囲は大後頭神経、小後頭神経、第3後頭神経のどれかひとつ以上の支配域と一致する
  • 診断基準C:痛みの特徴が以下3点のうち2点以上を満たす
    • 数秒から数分続く痛みの発作を繰り返す
    • 激痛
    • ズキンとする痛み、刺すような痛み、鋭い痛み
  • 診断基準D:痛みは以下の両方に当てはまる
    • 頭皮または頭髪を刺激すると異常感覚やアロディニアが出現する
    • 障害された神経枝の圧痛があるか、トリガーポイント(大後頭神経の出口部またはC2領域)がある
  • 診断基準E:痛みは局所麻酔薬によるブロックで一時的に改善する
  • 診断基準F:他に最適な診断がない

治療

  • ビタミンB12:神経の修復を促す
  • NSAIDs:一般的な鎮痛薬(痛み止め)
  • アセトアミノフェン:一般的な鎮痛薬
  • プレガバリン:神経痛に効果がありますが、眠気・めまいなど副作用があります。
  • 三環系抗うつ薬:アミトリプチリンなどがありますが、眠気・めまいなど副作用があります。
  • カルバマゼピン:てんかん患者に使用されますが、神経痛にも効果があります。眠気、ふらつきなど副作用があります。
  • 神経ブロック:局所麻酔薬を神経のまわりに注射します。

後頭神経痛は、危険な神経痛ではないですが、日頃の日常動作が原因であることが多いため、症状改善のためにも長時間のデスクワークを避けたり、ストレッチなど取り入れるなど日常動作を改善することが必要です。当院も脳神経内科医が在籍しておりますのでお困りがありましたらお気軽にお問い合わせください。




いなざわ駅前内科クリニックでは、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病をはじめ、頭痛、脳卒中、パーキンソン病、認知症、てんかんなどの脳神経疾患、不眠症、うつ病、適応障害、アルコール依存症、不安症、強迫性障害などの精神疾患・メンタルヘルスの問題に対応しております。一宮市、名古屋市、稲沢市、岐阜市、清須市、岩倉市、津島市、愛西市、あま市、北名古屋市など、幅広い地域から多くの患者様にご来院いただいております。稲沢市で内科・脳神経内科・心療内科・精神科をお探しの方は、いなざわ駅前内科クリニックへお気軽にご相談ください。