基礎知識

Disease Basics
診療案内

群発頭痛は、使用できる薬物は少ないため予防療法が重要です。

群発頭痛は、眼窩部、前頭部、側頭部にかけて出現し、激しい頭痛が15〜180分間持続します。
夜間、睡眠中に頭痛発作が多く、発作時に眼の充血や流涙、鼻汁や鼻閉、縮瞳と眼瞼下垂などの症状を伴うことも特徴です。また、飲酒、喫煙、気圧の急激な変化などが頭痛発作のトリガーになることが多く、頭痛発作中は落ち着かず興奮したような状態になる方が多く、頭痛のため動けなくなる片頭痛とは異なります。
発症は、20〜40歳代の男性に多く、発作頻度は1回/2日〜8回/1日とされている。数週間〜数カ月間頭痛が続く群発期と、数カ月間〜数年間頭痛がない寛解期を繰り返し、慢性化すると寛解期がなくなります。

群発頭痛の診断基準(国際頭痛分類第3版)
A. B~D を満たす発作が5 回以上ある
B.(未治療の場合に)重度~きわめて重度の一側の痛みが眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか
1つ以上の部位に、15~180 分間持続する
C. 以下の1項目以上を認める
①頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1項目を伴う
a) 結膜充血または流涙(あるいはその両方)
b) 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
c) 眼瞼浮腫
d) 前頭部および顔面の発汗
e) 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)
②落ち着きのない、あるいは興奮した様子
D. 発作の頻度は1回/2日~8回/日である
E. ほかに最適な国際頭痛分類第3版の診断がない

検査・診断
頭部CT画像、頭部MRI画像にて他の頭部疾患を否定し、基本的に問診と診察から診断する。

治療
発作時の治療
①高濃度酸素吸入法 
純酸素吸入は100%酸素(7l/分)をフェイスマスクで10~20分間吸入します。2018年4月から在宅酸素療法が保険適用となったため、頭痛発作が繰り返し生じるときでも自宅での治療を続けることが可能になりました。
②トリプタン系薬剤(スマトリプタン)の皮下注射

予防治療 
群発期には予防療法が必須で、頭痛発作はほとんど毎日繰り返し起こり、1回の頭痛発作は比較的短時間であるため、発作時の治療のみでは十分な治療が困難です。
①群発期間は、飲酒、喫煙をさけること。

②気圧の急激な変化が頭痛を引き起こすトリガーになるので、登山や飛行機に乗る際は、発作の予防療法が重要になります。

③ベラパミル(適用外使用)が最もよく使用されます。また、副腎皮質ステロイド(適用外使用)、炭酸リチウム、バルプロ酸なども有効といわれています。
ベラパミル(240 - 360mg)
炭酸リチウム(600 - 900mg)
バルプロ酸(400 -600mg)
ステロイド(PSL60 - 100mgを5日間1日1回投与後10mg/日ずつ減量)

 

群発頭痛は,発作のため学業や仕事に支障があるため精神的にストレスのかかる疾患ですが、発作時に使用できる薬剤が少なく、予防療法が重要です。
当院は、脳神経内科医師が在籍しておりますのでご不安な点がございましたら遠慮なくお問い合わせください。




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