うつ病などで生活にお困りの方のための支援制度
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うつ病など精神疾患、てんかんなどの診断を受けた方は、その疾患の症状のため日常生活や社会生活を送る上で様々な困りごとを生じる場合があります。障害の程度や状況にもよりますが、福祉サービスを利用することで困難さを軽減できることがあります。そこで、利用できるのが精神障害者保健福祉手帳になります。
精神障害者保健福祉手帳とは、精神障害の状態にあることを認定した障害者手帳です。
精神障害者保健福祉手帳を取得する条件は、①精神疾患により、長期にわたり日常生活や社会生活に制約があること、②その精神疾患による初診日から6カ月以上が経過していて定期的な受診(当院では1か月に1度の受診)が必要になることの2つになります。
すべての精神疾患がある人が対象で、具体的には次のような疾患が含まれます。- 統合失調症
- うつ病、躁うつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物やアルコールによる急性中毒またはその依存症
- 高次脳機能障害 ・発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害など)
- その他の精神疾患(ストレス関連障害など)
取得した際のメリットとは?
1:サービス・支援が受けられる。
精神障害者保健福祉手帳の提示により、さまざまな施設の利用料や公共料金の割引サービスなどが受けられます。自治体や事業者により内容は異なりますが、例をあげますと主に以下のようなサービス・支援の対象となります。- 公共交通機関の運賃割引
- 公営住宅の優先入居
- 携帯電話料金の割引
- NHK放送受信料の割引
- 博物館や美術館などの公共施設の入場料割引
- 医療費の助成(心身障害者医療費助成制度など)
- 福祉手当の支給や助成、貸付制度の利用
2:障害者雇用枠での就職・転職が可能になる。
就職活動において、障害者手帳があると一般雇用だけでなく、障害者雇用での募集にも応募が可能です。障害者雇用枠で就職・転職することで、通院治療への配慮もあり、周囲の理解が得やすく、障害の特性に応じた配慮を会社に求めることができ、働きやすい職場環境が得ることでストレスが少なくなり、患者様の精神状態の改善にも役立ちます。
3:所得税と住民税が控除される。
納税者本人、または控除対象配偶者や扶養親族が精神障害者保健福祉手帳を交付されている場合、所得金額から等級に応じて、一定の金額の控除を受けることができます。取得した際のデメリットは?
精神障害者保健福祉手帳の申請書類を自身で用意しなければならない煩わしさ、手帳申請用の主治医の診断書作成が自己負担になり費用がかかること、手帳の交付まで時間がかかること、手帳の更新が2年毎に必要であることがあります。とはいえ、得られるメリットが大きいので手帳の取得はおすすめできます。精神障害者保健福祉手帳申請の相談先はお住いの市区町村(役所)の担当窓口になります。
当院でも条件を満たした患者様について精神障害者保健福祉手帳申請用の診断書の作成は可能ですので、ご遠慮なくお問い合わせください。